為替と金利の相関関係について

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為替と金利の関係について

たとえばUSD/JPYを購入するということは、USDをロング、JPYをショートすることになります。するとUSDはロングですから運用する必要がありますし、JPYはショートなので調達、つまり借り入れが必要になります。ここで運用金利と調達金利の差が先渡し価格に影響することになります。金利の高い方の通貨の元利合計金額の増加が多いので、金利の高い通貨の価値が下がります。

 

例えば、今現在スポットで1USD=90円で取引されていて、1年金利がJPY0.2%、USD1%とした場合の1年後のUSD/JPYの価格はいくらになるでしょうか。細かい日数計算のルールがあるのですが、ここでは簡単に計算しましょう。

 

まず、現在の1USDは1年後には1%の金利が付きますから1.01USDとなります。90円の方は0.2%しか付かないので90.18円となります。これを割り算して1USDあたりの価格は89.28713円になります。つまり金利が高い国の通貨は先渡しでは安くなるのです。FX証拠金取引では日々ロールが発生しますから、各通貨の翌日から翌々日への金利の高低でロール後の価格が決まります。

 

投資家の皆さんはこの価格差をスワップポイントという形で受け取ったり、支払ったりしているわけです。金利にも為替同様マーケットがあり、ビッド・オファーのスプレッドが存在しますから、このスワップポイントもいろいろな条件で日々変化していくわけです。

 

今までは先渡し価格の話でしたが、では今現在の環境ではどのようなことが起こるでしょうか。よくヘッジファンドがJPYキャリートレードとかUSDキャリートレードとかをしていると言われていますが、これはJPYやUSDのように金利の低い国の通貨を借り入れて、金利の高い国の通貨に投資するという取引です。FXのスワップポイント狙いの取引も正にキャリートレードですね。このような取引が大量に入ることで金利の高い国の通貨が買われます。つまり金利差の拡大はUSDが高くなる要因となります。一方で先渡し価格はより安くなるわけです。

 

金利差狙いの買いが継続的に入るような環境では、スポット価格は高止まりし、先渡し価格へと鞘寄せされることはありません。したがって、高金利通貨をロングする戦略が有効となります。逆に多数の投資家がキャリーポジションの解消に動くと、低金利の通貨のパフォーマンスが上がり、先渡し価格以上に価格が動くこともあります。

 

金利差そのものはFX取引を行う動機にはなりますが、金利差から為替の水準を規定することは難しいですし、金利差がさらに拡大したり縮小したりしたことで為替の方向性を見出すことも難しいようです。あくまでも金利差に着目したキャリートレードがどの位行われているのか?かれらのコストがどのくらいなのかといった要因の方が大きいのではないのかなと思います。

 

次に日米金利差とUSD/JPYレートの推移グラフを3つ掲げて起きます。(ONとはフェドファンドと無担コールの差、2年及び10年はその年限のスワップ金利の差を使っています。)

 

ON金利差と為替 http://mpse.jp/tkymail/c.p?12c2aT317px

 

2年金利差と為替 http://mpse.jp/tkymail/c.p?22c2aT317px

 

10年金利差と為替 http://mpse.jp/tkymail/c.p?32c2aT317px

 

これを見てもお分かりになるように、実際の金利の動きと為替の動きには相関らしい相関がありません。なんとなく日米金利差拡大時にUSD高JPY安が進行している局面もありますが、逆の場合も多々見られます。

 

為替レートの決定においては金利差はファクターの一つにしか過ぎないようで、経済情勢等その他の要因の方が大きく作用しているようです。(まあ経済情勢の反映としての金利という見方もありますが・・・)為替レートに金利差が影響を及ぼすのはあくまでもそれがマーケットの関心事になっているときだけというのが正しいような気がしますね。

 

一応、回帰分析もしてみました。日米金利差とUSD/JPYですが、次のグラフのようになります。

 

ON金利差と為替水準 http://mpse.jp/tkymail/c.p?42c2aT317px

 

2年金利差と為替水準 http://mpse.jp/tkymail/c.p?52c2aT317px

 

10年金利差と為替水準 http://mpse.jp/tkymail/c.p?62c2aT317px

 

最も相関があるのが10年金利差ですが、それでも決定係数R^2が0.2655ですから、相関係数Rは0.51程度。フェドファンドと無担コールの差や2年金利の差も相関係数はかろうじて0.4程度ですので、中程度の正の相関はあると言えるようですね。

 

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